当院のプロジェクト

市内産農産物を活用した地産地消の取組み

 田無病院では、平成26年4月の丸山道生院長就任をきっかけに、スタッフも患者さまも市内在住が大半を占める地域密着型の総合病院のため、もっとこの街の人と関係性を持つことができないかと考えるようになり、平成26年6月より、病院食に地元の農産物を使用する地産地消の取り組みを開始しました。
 丸山浩一市長より、市が取り組む『都市と農業が共生するまちづくり事業』の紹介を受け、平成25年度から事業展開している、市内産農産物を使う『めぐみちゃんメニュー』をヒントに、病院食に市内産農産物を使用することを決めました。病院食を外部に委託する病院が多い中、昔ながらの院内調理施設で作っているからこそ実現につながったと考えております。
 導入当初は、院側の要望と農家の方が用意できる農産物が一致しないなど苦労もありましたが、長く続けられるように、病院も農業者もできる範囲で少しずつ進めて行こうという共通認識でやっているため、お互いの関係も良好です。
 農業者からの配送も、当初週1回で始めましたが、現在は週2回に増えました。
キャベツ、じゃがいも、大根、ネギ、白菜、小松菜などの農産物を使用したメニューを週に2回提供しております。献立をお知らせするチラシには、『どこの地域の畑の、誰が作った農産物であるか』を表記することで、看護・介護スタッフからは、「自然と患者さまとの会話の中に、地元の農産物の話が出てくる」と評判が良いです。
 高齢化社会における食に対する関心が高まる昨今、近隣の大学との連携により、『医』と『農』と『食』を科学的に捉えていくとともに、安心して食べられる病院食を、地元との関係を意識しながら追求して行きたいと考えております。

農作業におけるリハビリテーション

 皆さまはリハビリテーションの訓練として、身体や精神機能の回復、生活の質の向上を図るため、農作業や園芸といった活動を取り入れる事があることをご存知ですか?精神科の病院では、作物を育て、収穫物を調理するなどして、妄想や幻聴といった症状の軽減や、対人関係に必要なコミュニケーション能力の改善など社会的な技能の獲得が得られたという報告があります。
 現在、リハビリテーション科では丸山院長と作業療法部門が中心となって、東京大学大学院農生命科学研究科と共同して、江戸東京野菜を用いた「農作業におけるリハビリテーションの効果」について研究を行っております。
 5月頃から江戸東京野菜の寺島なす、品川ねぎの苗を植え付けし、寺島なすは6月中旬に収穫予定、品川ねぎは12月に収穫予定となっております。
 農作業には「育てる・感じる・採る・(収穫物を)使う」という作業があります。これらの活動を通じて、日常生活に必要な心身機能のみならず、育ち、実がなる等の成功体験を他者と共有できます。また生きるために必要な作物を自ら育て、収穫するという作業などが落ち着きや安らぎといった心理面や精神機能にも様々な効果が得られると言われております。
 当面は「身体機能、ADL能力向上」「認知症の症状改善」「主体的な生活の獲得」について園芸活動を通じての効果を検討しようと考えております。
 作物を育てる・収穫するといった作業は、日常生活に必要な運動・動作がほとんど含まれております。これらの動作を農作業という「目的のある活動」として、自然と取り組むことができるため、身体機能やADLの向上が期待できます。
 また、緑が多い環境では血圧や筋緊張の低下・心拍数の減少・穏やかで安らぎを感じる人が多いという報告があり、認知症の方の精神状態が落ち着くと考えられます。あわせて、季節の代表的な作物を育てることにより、季節感を感じることができ、穏やかで落ち着いた生活リズムの再構築の一助となり、認知症の方にみられる記憶障害・見当識障害といった中核症状や、妄想・抑うつ気分・徘徊などといった周辺症状の改善が期待できると考えております。
 外出機会の少ない方、趣味がない方や意欲低下がある方などに園芸を通じ作物を育てる事で、他者と協力し合い、自然とコミュニケーションを図れる機会が提供できます。作物はなかなか思い通りに育たないこともありますが、患者さまに合わせ再度目標を設定し、意欲を高めることができれば、他者とさらなる交流の機会も増え、社会的交流の場・生きがい・役割の再獲得など主体的な生活を構築する一助となると考えております。

市民まつりへの取り組み

西東京市民まつり

 毎年11月の第2土日は、「西東京市民まつり」が開催されております。市民まつりは、旧田無市と旧保谷市が合併した平成13年からは、合併記念公園として整備された「西東京いこいの森公園」で開催されるようになりました。例年30以上の構成団体や協力団体が参加し、2日間で約15万人以上の方々が来場される、西東京市を挙げての楽しいイベントになっております。
 田無病院は、西東京いこいの森公園に隣接しており、毎年構成団体として参加しております。体調を崩された方や怪我をされた方の救護にあたる「市民まつり救護班」は、当院の看護師が常駐し、救急時には田無病院との連携体制をとっております。また田無病院ブースでは、患者さまや利用者さまが作った作品の展示や脳トレーニングなど、毎年趣向をこらした緑秀会ならではのイベントを実施しております。

田無病院まつり

 西東京市市民まつりと同時開催で「田無病院まつり」を開催しております。田無病院まつりでは、講演会等による市民の健康に対する啓発活動や、医療や介護に関わる相談をはじめ、地域に開かれた医療機関として、田無病院を身近に感じていただくための様々なイベントを企画しております。西東京市民まつりと一体となって開催しており、敷地内で行うフリーマーケットはご来場の皆さまに大変好評です。「暮らしの身近に田無病院がある」、普段はなかなか病院を訪れることがない方にも当院の存在を知っていただきたいと思っております。ぜひお気軽にご参加ください。

 これらの活動を通して、田無病院を多くの方に知って頂く機会となり、医療や介護に対して興味を持って頂けたらと考えております。また市民との交流を通して、地域に根差した医療と福祉の実現を目指していき、皆さまの健康増進や介護予防に寄与できるよう今後も取り組んでいきます。